私-前編-
「……ぁ……みッッ」


…―泣いてる…?


『どうしたん!?』

私の様子を兄とアキが心配そうに見ている―…


「…ッッ……ケン君と高原が居ない時にかけてくれへん?」


それだけ言うとナツは電話を切った―…


“なんて!?”

アキと兄が心配そうに聞いてきた―…


『えっ…あぁ〜何か高熱があって寝るわやて。』


兄は今すぐ行くって言ったが、私は今はしんどいから寝かしたあげてって言った。


それからアキは家に来たが、兄の部屋に行った。



今がチャンスだと思った私はナツに再び電話をかけた。



プルルルル―…


ガチャ
『ナツ?‥今一人やねんけど、どうしたん!?』


「……亜美……来てくれへん?…ケン君達にはバレへんように…」


『…わかった。』


何があったんだろう…


私はアキ達に気付かれないようにコソッと家を出た―…




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