私-前編-
ナツの母と父はほとんどすれ違いばかりで、会うと喧嘩ばかり―…


父は出張が多くてほとんど家には居ない…

母は父の事を今でも愛していた。


しかし父は出張ばかりで、浮気しているかもしれない。


そしてナツが悪い事をすれば父には
「おまえの育て方が悪い」と言われる…―


母は幼い頃貧しかったらしく、今は父の収入だけでも生活はできるが、ナツにはもっと裕福な暮らしをさせてあげたかった。

それでスナックをしてるらしい。


本当のところはどうなのか私にはわからない。


話を聞きながらも実はスナックが好きなんじゃ?
とも思った―…



『ナツは…寂しいんだと思います。
もっとナツと言う一人の人をみてあげて下さい。』



私は言った。



「そうやね……あの子は何も言わへんから…言われへん状況にしたんは私達やけど……言わへんから私も聞かへんかった……
亜美ちゃん。ありがとうね。」


『…いえ。』


私は小さく返事をし、頭を下げるととナツ達のいる部屋に戻った―…






「おぃ!ジュースは?」


何も持ってない私を見てアキが言った。

『あっ…財布忘れて…』


アハハハハ―…





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