私-前編-
「どうしよ…」


ナツは煙草に手を伸ばしたが、止めて言った。



『産み……たい?』


私は何を言ってるんだろう…




「赤ちゃんには何の罪もないやん…殺したくない……。
だけど…」



…………………




『兄ちゃんにはどうするん?』


「このまま会わへんわけにはいかんしなぁ。
でも会ってH拒否し続けるんもなぁ‥」



「うち、この子産みたいねんけど。」

ナツは突然言った―…



『えっ?!』



「うちケン君と別れて一人で育てるわ!」


ナツはもらったばかりの赤ちゃんの写真を見ながら言った。



『まだ中2やで?
…兄ちゃん絶対別れるとか納得せんやろうしな、
おばちゃんも許してくれへんやろ…』

私はなぜだか冷静だった。



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