私-前編-
「……頭を……強く…打ってるみたいで、もしかしたら…障害が…」



『う…そ……』



あまりの衝撃に震える私を支えながら兄が言った。

「‥ナツに会っても良いですか?」

兄は力なく震える小さな声で言った。



ナツの母は少し考えた。
「……会ってあげて。」



そして私達はナツの部屋の扉を開けた―…


ナツは足にはギブスをしていて、腕は包帯でグルグル巻き…顔は擦り傷だらけで、頭にも包帯が巻いてあり、沢山管が繋がれていた…――



「……ナツ……ナツ…起きろよ…」

兄はナツに近づいて必死で話しかけた。



私は見てるのが、辛くてその部屋から出ていった―…




外で待つナツの母の隣に座った。


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