私-前編-
「…ナツの親から連絡あった。
…もう会わないでって…」


先に沈黙を破ったのは兄だった―…



「ナツをこんな体にしたんは俺のせいやって…」


兄は小さく震えていた―…


『友達や彼氏は親が決めるんじゃないで。
ナツ本人が決める事やで。
兄ちゃんがナツを想う気持ちはいつか伝わるって。
近くにいるだけが守るんじゃないで』


私はアキの母にさっき言われた事を思い出した…



兄は小さく笑うと
「そうやな」
と言って部屋を出て行った。






ナツ……





私達は遠くにいてもナツを見守ってるから…






そして兄は中学を卒業した―…







兄の卒業式を一番見たがっていたナツは…





まだ入院中で来れなかった…―



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