私-前編-

あれ以来ナツはあまり授業に出なくなった―…


学校には来ているが、保健室に居た…―――




私は何も出来なかった。



アヤやユイは休み時間になるとナツのところへ行っていた。




私は一人教室の隅で窓の外を眺めていた。




そして放課後はアキと一緒に帰る。


ただ…それの繰り返し。






でもね。


嬉しい事があったんだ。



たまたま廊下でナツとすれ違った時に、ナツが私にくれた携帯ストラップ…



ナツもつけていてくれた…






そんな事?って思うかも知れないが、私は嬉しかった…―





もし…

ストラップが外されていたら…



完全にナツとは仲良くなる事はないなぁ‥





そんな小さな賭けを自分の中でしてたんだ…








私…



ナツには幸せになって欲しいんだ…







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