私-前編-
兄妹
私は家に帰ると兄の帰宅を待った。
6時過ぎには帰ってくるだろう…
私は早く早くと思いながらも兄の帰宅を待ち続けた。
ガチャ…――
兄だ!!
私は急いで玄関まで行った。
“お邪魔します♪”
誰この女…――
ショートカットの小柄な女が兄にベッタリとくっついていた…
「お…おう!亜美。ただいま」
“イヤ〜カワイイ♪妹?”
バツの悪そうな顔の兄の隣ではしゃぎまくるうるさい女。
私はその女を無視して兄に『ちょっと話あんねん』と言った。
隣の女は少しムスッとしたが、兄の部屋で待っていた。
「なんやねん?」
『最低やな。何やっとん?』
私は呆れながら言った。
「えぇやんけ。俺もてるらしいぞ」
完全に開き直りの兄にサラっと言ってやった。
『ナツが援交やってるっぽい』
すると兄はやはり怒った。