私-前編-
「そやで。別に関係ないやん?」


ナツが煙草を灰皿に押しつけながら言った。



「そんな事ないわ!俺はまだナツが好きやし守りたいねん!
…なぁ。やり直さへんか?」



「ハハッ…勝手な事ばっかり言わんといてや。
守る守るってそんなん好きでも何でもないわ。
ただの同情やん!
そんなんいらんわ。」



ナツは涙を堪えながら言った。



「同情ちゃうわ!!
ナツが援交止めへんねやったら…俺がナツを買うわ。」


そう言うと俺は財布から金を出し、テーブルに置くと、無理矢理ナツを抱き締めた。


“ちょっ…やめてや。”


ナツは必死で離れようとしたが、男の力には勝てなかった。



そして俺はナツをベッドに押し倒した…―



“……―――ッッ…―”


涙を流すナツを見て、ケンはさっきとは違い、今度は優しく抱き締めた。


「…ごめん」



“……ッッ…―”



俺はナツから離れようとしたが、ナツは俺を抱き締め返した。



「もぅ少しだけ…お願い…ッッ…」



ナツは忘れかけていたケンのぬくもりを思い出した…――




俺は再びナツを優しく抱き締めた…―――




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