私-前編-
帰ってすぐにお風呂に入り、出ると着信があった。



【不在】アキ



……ドクンッ……――



いつもならすぐにかけ直すんだけど、またシンナー吸ってたらどうしよう…――



恐かった。



少し考えたが、アキへ電話をかけた。





プルルルル……――♪


「はいよ」


『電話した?』


私は少し冷たく言った。


「いや…亜美心配してるかな思て」



ホッ…――


私はアキが普通になってたので安心した。



『べっ…別に心配なんかしてへんよ』



また素直になれなかった…――



「ハイハイ。素直じゃないなぁ」



『アレはもうやらんといて!』



私は強く言った。



「わーってるって!ごめんな」



『約束やで』


「ハイハイ」


そして私達はいつものように他愛もない会話をして電話を切った。






次の日からアキは学校へ来て、一緒に帰る。


また前みたいに楽しい日々を送っていた。






そして、この日もいつもと変わらない一日を送る…









ハズだった……―――




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