私-前編-

「じゃーん!」

正樹がペットボトルを取り出した。


「おまえらまだやっとん?」

俺は変わらない奴らに少し呆れながら言った。


「アキもそろそろやりたいかな思てな」


そう言うと正樹はビニール袋や空き缶に慣れた手つきでシンナーを入れた。
                                    
一瞬亜美の顔が浮かんだが


親もあんなだし…



もう…どうでもいいや…



そして俺は慣れた手つきでビニールを口に近付け息を吸った…――

            
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