私-前編-
距離
私は何度もアキを説得した。
アキにすがって何度も何度もお願いした…
『お願い…
別れるのはイヤ…』
「じゃあ…とりあえず少し距離置きたい。
今のままじゃお互いダメになるわ」
アキの意志は固かった。
『…わかった』
私はそう言うしかなかった。
「いつでも何かあったら電話しろよ」
優しくなんてしないで欲しかった…――
こうして私達は距離を置く事にした…――
ねぇ、アキ??
この時私が“疲れた”なんて言わなかったらあなたは私の隣でずっと頭を撫でてくれた?
それとも他に理由を見つけて私から離れて行った?