私-前編-
またな
私は急いでイソノに向かった。
アキは先に着いていた…―
私に気付くと吸っていた煙草を消して、近づいてきた…――
久しぶりに見たアキは何だか少し痩せていた。
シンナー止めてないのかな…
私達は無言のまま近くの公園のベンチに座った。
何から話せばいいんだろう……―――
「俺……」
アキが言いかけた。
『何でなん?!』
アキの口から引っ越すなんて私は聞きたくなかった…
「……ごめん」
『…うそつき』
「俺な…」
『聞きたくないわ!
あたしの事守るって言うたやん!
……ッッ……ぃかんといてや…』
「…ごめん‥泣くな…」
アキは私が聞きたくないと言ったが、話し始めた。