私-前編-

そしてアキの引っ越しの日がやってきた…――




兄とナツは見送りに行くと言っていた。



兄とナツには最後まで亜美もこいと言われていたが、私は行かなかった。


「これで最後やで?」

兄が言った。


『またなってアキ言うたもん。
それにあたしが行ったらアキが困るやろうし』



その言葉に兄は何も言わずにナツと出かけた。




私は行かない…――



決めたんだ…――






ナツ達が出かけてから3時間位たっただろう…――




やっぱり最後に会いたい!!


ちゃんとサヨナラしなきゃ…




私は急いで用意をすると家を出た。



アキ…


お願い…――


サヨナラを言わせて…――




私は力いっぱい走った。




そしてアキの家の前に着いた…――




< 268 / 345 >

この作品をシェア

pagetop