私-前編-
『ナツ今日泊まりや!』



「まじで!?嬉しい♪」


『兄ちゃん居るからっしょ!?』


「エヘヘ〜♪」


『襲うなよぉー!』


ナツは一人っ子で、両親の仲は悪く、母親はスナックを経営していて、父親は出張ばかりで、ほとんど家には居ない。


「一人はつまんない」
ってよく口にしているから、時々こうして家に泊まりに来たりしている―…


私のママも人懐っこいナツが大好きだ。




「おばちゃーん!
ナツ今日泊まりまぁす♪
明日お弁当宜しくでーす!」


「誰がおばちゃんかな?」

ママが突っ込む。

「アハハ…お姉様♪」

「ハイよろしい。」


アハハハ―…


スナック経営のナツの母はあまり料理を作らない人で、ナツはお昼の時パンやコンビニの小さなお弁当ばかりだった―…
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