私-前編-

「うちケン君に告白…しよかな…」

CDを聞きながら気分よく歌っていたナツが急に言い出した―…


『うぇぇぇ〜!?!?』

思わず声がでかくなった




バンッッ!!―…

「「どーした!?」」

あまりの声に驚いた兄とアキが部屋に飛んできた


「す、‥すいません‥チョットふざけてたら…亜美ビックリしちゃって…」

ナツが言い訳をする。


『そっ、そーそー!チョットビックリしただけ―‥』


「何やねん。ビビらすなや」



『アハハハ‥ごめんごめん!』


呆れながら二人とも部屋を出て行った。


バタン―…


「『ふぅーっっ』」


「亜美?
…たのむわぁ」


ナツがため息まじりに言う。


『ごめんごめんっ』


アハハハ―…


「…で!!亜美〜♪」


何かをたくらんでいる様子だ―‥

『ん?』


「二人一緒に告らん!?」



『はぁーっ!?…ーーっっー』

ナツが慌てて私の口を手で塞ぐ。


「だからー声でかいからっ」



『絶対無理無理無理〜』

私は断固拒否!!


「もしお互い付き合えたらダブルデートできるやん♪」

ナツはノリノリだ。


『もしどっちかがフラれたら?』


「んー…あ〜…そっかぁ‥」


よしよし。納得したみたいだ


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