私-前編-
「あぁ〜食った〜!」



『ありがとう』


「なにが?」


『色々…クリスマスも一人で過ごさんで良かったし!』


                        
ギュッ―――……



松は優しく私を抱き締めた。


「我慢すんなよ。」



『…ありがとう』



「俺はずっと傍におるからな…」





『………』



ダメだ…


甘えちゃ…―――



私は松から体を離した。




「…ゴメン…俺、帰るわ。」


『うん‥ありがとうな。』

            
松が帰った後の部屋は食べかけのケーキやジュースで虚しさだけが残った…―




ママ達みたいな夫婦になって暖かい家庭を作りたいという私の夢は叶いそうにないな――……


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