私-前編-


『ハイ。300円!ママには見つかったらあかんで!』


ほっぺたを膨らませながら財布から小銭を取り出すと兄に渡した。


「わ〜ってるって!!早行けや」


『兄ちゃんもちゃんと授業受けや!』


「気が向いたらな」


兄は右手をヒラヒラさせながら去って行った。



私は急いで教室まで向かった。


ガララララ─…

「亜美遅いー!」



『はぁ…はぁ‥間に合ったぁ』



「学校来るだけやのに何でそない毎日気合いいれるかなぁ?」


そう言ってるのは夏海-ナツミ-


私に1番最初に話かけてくれた明るい子


そして‥親友だ。




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