私-前編-


気付けば夜8時を過ぎていた―…


楽しくて…

本当に楽しくて時間なんて忘れていた―…


「これからどーする?」
出かける準備をしながら美優が聞いてきた。


『美優達は帰るん?』


「うちらは今から出て、走りに行くと思う。」



私の知らない世界だった―…





「亜美も行く?」


兄はよく走りに行ってたけど、私は絶対するなと言われてたし…


『行ってもいいん?』


でも、もういいんだ。




「当たり前やん!!
美優ら友達やん!」


『行きたい!!』



私達はメグさんの家を出て、バイクにまたがって近所のコンビニへ向かった。


私は美優の後ろに乗せてもらった―…


初めてのバイク…
恐くて、ずっと美優の腰をギュッと掴んでいた…―




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