私-前編-
気持ちの整理がつかないまま家の下に着いた―…


兄とアキは先に着いていた。

『ありがとうございます。』

私はメグさんに頭を下げて別れると俯いたままマンションに入って行った。



兄達は少しメグさんと話していたみたいだった。


ガチャ―…


玄関を開けた瞬間スリッパをパタパタさせてママが走ってきた。


ママは私の姿を見て目を真っ赤にし、涙目になりながら“おかえり”と言ってくれた―…


私も泣きそうになりながら『ごめんなさい…』と言って家にあがった―‥


ママは兄に何か言われたのかはわからないが、私に何も言ってこなかった…


部屋に入ると、私は電気もつけずに座ってボーッとしていた―…


< 67 / 345 >

この作品をシェア

pagetop