私-前編-


ガチャ―…


真っ暗な部屋に再び小さな明かりが入った。


そこには兄がいた―…


「お前マジでいい加減にしろよ!心配させんなや!!」

入ってくるなり今までにない位怒鳴られた私は何も言えずにいた。


『…………』


「すいません!!!」





アキが兄に言った…


「俺がしっかり守れへんかったから…」


『アキ……』






「……今回はアキに免じて許したるわ‥」


大きくため息をつきながら言う兄の方を私は見れずにいた。

「本当にすいません…」



「あと‥相手さんには謝ってきたからな」


『えっ……』



その時初めて顔をあげて兄を見たら、優しく微笑んでいた。



そして兄は部屋を出て行った。




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