私-前編-
目が覚めてもナツはまだ居てくれて、寝てる間に兄も来ていた。



「よっ!
心配かけんな言うたばっかでこれか…
ばか亜美が。」


口は悪いが兄は優しく言った。


『あはは‥ごめん。』




兄はまた来ると言って帰って行った。



ナツと再び二人になると、ナツは静かに口を開いた。





「今の亜美にこんな事言うんもなんやけど……


高原の事…」


―…ドクン…ッ―



鼓動が激しくなるのがわかった。

『…なに?』

「落ち着いてから言うつもりやったけど、学校来て知るよりは今知って、入院中に色々冷静になって考えてほしいから言うけど、高原が……」



ナツは中々本題には入らない…


『だから何!?』


私は知りたいのに知りたくない気持ちで苛立ちナツにキツく言ってしまった。



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