私-前編-

年が明けた―…


兄は最近夜は家に居なかった…


まるで私を避けているようだった―…



しかし、正月は家に居る…

だけど兄は私と顔をあわせようとはしなかった。



毎年母と父は親戚の家に飲みに行っていた―…




母と父は出かけ、家には私と兄の二人きりになった―…


私は兄の部屋へ向かった。

予想外の事に兄は普通に話かけてきた。



「体調どおや?っちゅーかその髪なんやねん」


『…うん。大丈夫。てか…』




「アキの事やろ?
アイツの事は今はほっとけ。」


えっ……――

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