私-前編-
私はあてもなく近くをブラブラ歩いていた―…
しばらく歩いていると前方から一組のカップルらしき人が見えた―‥
彼女らしき人はベタベタくっついて居たが、彼氏らしき人は愛想のない感じに見えた……
アキとマユだ…
私は逃げたくなったが、マユが私に気付いたのか、わざと大きな声で言った。
「いや〜ヤンキーがおる〜!」
その瞬間アキと目が合った―…
アキは悲しそうな顔で私を見つめ、何か言いたそうだったが、私は走って逃げた―…
マユの声高い笑い声だけがいつまでも耳に残った―…
もぉ…本当に嫌だよ…―
この辺に居るとまた誰かに会ってしまう…―
私は一人河川敷へ向かった。