私-前編-
“アキ”が隣に居ない私には他の事なんてどうでもよかった。




アキと再会する前はナツと毎日楽しく過ごせていたのに…



私は全てをアキのせいにする事しか出来なかった…―


アキと再会しなければ…

アキが“運命”だなんて言わなければ…


アキが“別れよう”なんて言わなければ…



私は自分だけが傷つき、自分の悪いところなんて考えず、全てアキのせいにしていた…



“悲劇のヒロイン”


きっと今の私にはこの言葉がピッタリだ。
とまで思っていた位だった―…




アキがどんな気持ちで私と別れたのかなど、この時は全く知らず、私はアキを心のどこかで責める事しか出来なかった―…





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