私-前編-
『実はな、亜美も家追い出されてさ、河川敷おんねん。』
「そうなん??…今から行ってもいい?」
『うん。』
そして電話を切って数分後、美優は原付に乗って、河川敷まできた。
美優はこれから京都のキャバクラで働こうかなと言っていた。
随分前に京都に遊びに行った時にスカウトされた事があるらしい。
『なぁ…それ亜美も行っていい?』
京都…
アキが引っ越して育った場所―…
キャバクラ…
華やかそうな未知な世界―…
なにより私もこの町には居たくなかった…
「ほんまに?
亜美も来てくれんの?」
少し笑顔を見せた美優に私も笑顔で頷いた…
…ナツ…兄ちゃん…
ママ…お父さん………
そしてアキ……
さようなら―………