乱舞

「大河には、まだ言ってないし。まぁ、バレた時は捨てるね」
平然と答える小夏に苛立つ。
「そんな、簡単な関係なんかよ!!あぁ??テメェが認めた男なんじゃねーのかよ!!」

声を荒げると
「ねぇ、さーか。あたしは、そんな簡単な関係なわけじゃない。でも、乱舞もさーかも大切。わかってもらえないんならしょうがない。てか、さーかこそあの翔平って奴に惹かれてんじゃないの?」

真っ直ぐ捉えてくる小夏の瞳に耐えられなくて目を逸らす。

「わかってんよ…。でも、あたしは乱舞の総長なんだよ!!華王一家の孫なんだよ!!しっかりしなきゃなんねーのにわかんねぇよ…」
正直、翔平に惹かれてるのは事実。
でも、乱舞は捨てらんねぇし…。

「ま、バレた時はバレた時。あたしらが、引退すんのもすぐに来るじゃん。それまで、後輩のこと引っ張ってこーや!!」
小夏はニカッと笑って単車に跨がる。

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