無愛想なキミと私
新学期、一番私がビクビクと怖がっている時期

でも、強がりな私は決して怖がっている様子は見せない

男女関係なく初対面の人が苦手な私は

新学期早々、周囲との関わりを避けていました

「一人で大丈夫、私には構わないで」

そう考えているようにも見えるでしょうが

実際は話しかけて貰えるのを待っていた

けど、一人で本を読んでいる私に話しかけてくれる子はいなかった

まぁ、しょうがないか…

でも一人、話しかけてくれる子がいた

前の学年からの友達

本当にありがたかった

その子は積極的で、色んな人に話しかけた

男の子でも女の子でも、すぐに仲良くなれる子だった

中でも取り分けその子が話しかけていた男の子がいた

その子と初めて会話したのは、その男の子が男友達と遊んでいる時だった

話しかけに行こうと誘われたが、私はやんわり断った

友達と話してるときに話しかけたら迷惑だし…

それに、無愛想で冷たそう…

でも私の友達は、構わず話しかけに行った

私を連行して…

男の子と対面したとき、足に目がいった

下を向きがちな私は、つい人の足を見てしまう

男の子の足は、とても細かった

筋肉はついてるらしいけど、制服の上からじゃ分からなくて

「キミ細いね…ちゃんと食べてるの?」

つい、そう言ってしまった

やっちゃった、と即座に後悔した

話したこともない人にこんなことを言われるのは筋違いだもの

ごめん、と謝ろうとしたら

「うん、ちゃんと食べてるよ」

そう笑って返された

私はほっとして少し視線をあげて名札を見た

特に難しい漢字って訳じゃないけど…なんて読むの?

名前の読み方に迷って、名前の中国読みの渾名をつけた

二人で渾名で呼んで、男の子は困惑が隠しきれないようだった

「それ、誰の事?」

渾名で呼ぶなんて、滅多になかったから

「キミの事だよ」

咄嗟に笑顔で答えた

何故か、この男の子の前では笑顔で答えなきゃ駄目な気がした

はじめこそ嫌がってたけど、いつの間にか定着してしまって、渾名じゃなくて愛称になった
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