無愛想なキミと私
渾名が愛称として定着してきた頃、もう四季は夏に差し掛かろうとしていた

四季に関係なく人間観察が趣味な私は、彼を観察することがマイブームだった

クールな態度には似合わず、結構呑気な彼

正面から見てても、1分は気付かないときもある

やっと前を向いたと思ったら、驚いたように肩を震わして

「びっくりした…」

簡単に予想できる言葉が紡がれる

その仕草一つ一つが可愛くて

思わず口許が緩んでしまう

だから、口許が緩みそうなときは手で隠す

咳払いで隠すこともある

バレバレ…かと思えば、案外ばれてない

口許が緩むから、マスクをしだすようになった

声がくぐもって仕方ないけど、これしかない

常日頃からにやにや頬を緩ませてたら

気味が悪いもの
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