滝本くんのHPが10を切りました。
放課後、新習慣。
「佐原、」
滝本くんがそう声をかけてきたのは、放課後のことだった。
「ん?」
私は平静を装いつつも、未だに滝本くんの方は見ずに帰りの支度をする。
「…………一緒に来るか?」
滝本くんのその言葉に、ピタ、と帰り支度を止める。
来るか?来るかって、どこに?
一緒って、誰と?滝本くんと?
「えっと………どこ、に?」
さっきまで全然滝本くんの方を見れなかったことが嘘のように、私はパッと滝本くんに視線を移す。
するとガサゴソとカバンの中を漁ったあと、
「ん、」
と言ってひとつの袋を取り出した。