滝本くんのHPが10を切りました。
自分の顔を隠すように下を向くと、フッと自分に影がかかった。
「どうかしたか?」
頭上から聞こえるその声に、さらに顔は熱くなる。
「う、ううん。ダイジョブデス……」
俯いたままそう言った私を心配してか、滝本くんは私の顔を覗き込み、あろうことかおでこに手まで当ててきた。
「う、わぁ!!」
思いもよらなかった出来事に、私は体をのけぞらせる。
「あ、悪い」
私が嫌がったと思ったのか、滝本くんはポツリと謝った。
「顔が赤かったから熱があるかと……」
「い、いや、そんな……!!別に嫌だったわけじゃなくて、」
むしろご褒美です。
言いかけた言葉は口から出る寸前で止めた。
危ない危ない。