滝本くんのHPが10を切りました。
「あぁ、うん。ちょっとね」




そう言いながら、さっきの出来事を思い出して笑みが零れる。




「あら、嬉しそうね〜。さては好きな人と何かあった?」




お母さんのその言葉に、私の心臓は大きく鳴った。




「な、な、な、なんでもない……よ」




誰がどう見ても、なんでもなくは見えないけど、お母さんは意味深な笑みを浮かべて、




「そう」




と言った。




「き、着替えてくる!!」




その場に居づらくなった私は、お母さんの視線を振り切るように二階の自室へと駆け込む。




やっぱり、今日あったことは夢じゃないんだよね。




滝本くんと話せたのも、一緒に猫見たことも、全部………。

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