滝本くんのHPが10を切りました。
「じゃあ一匹は貰い手が見つかったなー。あと二匹は………まぁ他のクラスにも呼びかけているから、誰かいるだろ。じゃあ滝本はこのあと職員室に来い」
最後は面倒くさくなったのか、先生はそう言ってHRを終わらせた。
「子猫たち、見つかっちゃったのか………」
小さく呟いた私の言葉に、滝本くんがチラリとこちらに視線を向けた後口を開いた。
「いずれは、見つかるかもしれなかったから。先生達がこう呼びかけてくれただけでもいいほうだよ」
いつの間にかどこかに捨てられるよりはね。
滝本くんはそう言うとカバンを持って立ち上がった。
「あ、私も、行ってもいいかな?」
教室を出ようとしていた滝本くんにそう声をかけると、顔だけこちらに向けて頷いた。