滝本くんのHPが10を切りました。


「あ、えと、うん。そうみたい」



パッと前髪から手を離して苦笑いすると、滝本くんは



「ふーん」



と言ったあと、眠たかったのかひとつあくびをして机に突っ伏した。



た、た、滝本くんから話しかけてくれた……っ。



どうしよう、嬉しい……!



緩みそうになる口元を必死で引き締めるけど、気を抜くとすぐに緩んじゃうから、結局は手で隠した。



うふふー、っと嬉しさを噛み締めていると、寝ていると思っていた滝本くんが、



「今日、」



と再び呟いた。



「ぅへ!?」



いきなりのことにびっくりした私は、ビクッとして滝本くんの方を見る。



すると突っ伏したままこちらを見ている滝本くんと目が合った。



どどどどうしよう!?



ずっとニヤニヤしていたの見られたかな!?



あわあわと動揺する私をよそに、滝本くんは



「英語の課題、した?」



と、私に聞いてきた。

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