滝本くんのHPが10を切りました。

その後女子二人が帰っていくのを見届けた後、私たちは自然と一緒に帰路についた。




「でも、もう会えなくなっちゃうって考えると寂しい」




正門までの道のりで、子猫を抱っこさせてもらい頭をなでながらそう呟くと、




「…………じゃあ、写真送るよ」




と滝本くんは答えた。




「え、でも、」




連絡先も何も知らないし。




そう言おうとしたころには滝本くんはカバンの中をあさったかと思うと、スマホを取り出して少し操作をした後、画面を私の方に向けた。




その画面には滝本くんの電話番号、メールアドレスが表示されていて。




「えっと…………」




画面と滝本くんを交互に見比べていると、




「……連絡先の交換。嫌なら別にいいけど」




と言って画面を閉じようとした。

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