滝本くんのHPが10を切りました。
「あ、え!!待って!!交換!!交換したいです!!!」
思わずがっしりと滝本くんの腕を掴んで画面を閉じようとするのを阻止した後、慌てて自分のスマホを取り出し電話帳に登録する。
「あ、登録できました」
何故か敬語でそう伝えると、滝本くんはスマホをカバンの中にしまった。
「じゃあ……俺今から猫の餌とか買いに行くから」
「あ、そっか。気をつけてね!」
子猫を滝本くんへ手渡すと、滝本くんは
「また明日」
と言って、私の帰り道とは反対方向へと歩き出した。
私はというと、滝本くんが見えなくなるまで見送った後、ふわふわとした気持ちで家への帰路へとついた。
気が付くと自分の部屋のベッドの上に仰向けで寝っ転がっていて。