滝本くんのHPが10を切りました。

「え、あ、ありがとう」




私がそう言うと、再び机に突っ伏した滝本くん。




机に投げられたノートを手に取ると、うれしさがこみ上げてくる。




「ふふふー。滝本君は優しいねぇ」



自然と出た笑みとその言葉に、滝本君は一瞬だけこちらを見た後、




「……別に」




と言って私とは反対の向きを向いてしまった。





滝本君のノートのおかげでなんとか答えることができた、んだけど……




「じゃあ佐原、その英文に出てくるattribute...to~はどういう意味だ?」




まさかの質問に、思考がストップする。




「……えと、」




「訳ができてるから意味も調べてるはずだよなぁ」




先生はまるで何でもお見通しとでも言うように澄ました顔をしてそう言ってくる。




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