学園ディストピア
突然叫び声がして、びっくりして廊下の方を見るとその煩い例のすっとこどっこい・・・名前忘れた。
え、うそやん。
噂をすればなんとやら。
そいつは、何故か教室の中を指差していて、ずんずんこちらに向かってくる。
なんで、こいつこっちむかってんの?
モーセのようにクラスメイト達が道をあける。確かにあれに激突されたらやだな。
そんで俺の前まできて言った。
「あんた、あのイケメンと一緒にいたよな!」
こいつは先日、襲われた子を助け損ねて一緒に捕まっちゃった
すっとこどっこい(名前忘れた)。
「はぁ、イケメン?」
て誰のことだよ。いっぱいいるだろ、イケメンじゃわかんねーよ。
「クニヒロって人!あの人はどこにいんだ?」
・・・。
クニヒロ?
そんなやつ知らんぞ。
頭の中で再生される記憶・・・
『那珂国弘、あ、呼んだら殺す』
那珂さんを探してるのか。
「悪いけど知らない。あの人が普段どこにいるとか・・・ 」
まあ、森の奥か、理科準備室だろうけど、言ったところでとばっちり食いたくない。
絶対煩いの嫌いそうだし、ばらしたら俺が体をバラされるかも。怖い。
「知ってるだろ!仲良さそうだったじゃん、昨日の夕方・・・」
思わずすっとこどっこいの口を押さえた。
校則破ったのバレたらめんどくさそう。てか、那珂をストーカーしてたのか、気持ちわりぃ。
そういや、俺のことも覚えてたんだな。侮り難し、すっとこどっこい。てか、気付いてたんなら無視すんなよ。
「なにしてるんですかっ!」
突然表れた噂の眼鏡副会長に今度は俺が突き飛ばされた。
おい、こいつどっから沸いて出た。
「なん、で」
すか?
言い終わる前に頬を平手打ちされる。
パンと乾いたオトがして、頬のとこで小さな爆発が起こった。
ちょっと、よく分からないです。
目の奥がチカチカした。
暫くして痛みがヒリヒリしたものに変わる。
うわ、何こいつ。
あまりに理不尽が行きすぎると人間て思考を停止しちゃうんだな。
てか、一瞬誰だか分からなかった。新歓の挨拶に見た顔だとすぐに気付く。
副会長がわわしく喚く。
「あなたですね!旭に酷いことをしたのは!」
クラス全員がざわめく、殆どの人間が理解できていない。何が起こってると騒いでる。
俺が聞きたいわ、
何がおきてんだ。
よし
ちょっと整理しようか。
俺は朝、普通に初登校。
金剛に朝の挨拶。
すっとこどっこいが駆け寄ってくる。
すっとこどっこいに那珂さんの居場所聞かれる。
何故か副会長がとんで来て俺に平手打ち←イマココ
うん、分からん。
あ、副会長てこのイケメンだよな。さっきの副会長をオトしたの、ってこのすっとこどっこいか。こんなのがタイプとか意外だな。このクールビューティー。
あ、てか男同士じゃん、キモ。
「旭に近付かずかないでください!あなた、みたいなのにまとわりつかれて迷惑なんですよ!気持ち悪い」
いや
いつ 、俺がそのすっとこどっこいに近づいた?
まとわりついた?
そいつの名前も忘れてたのに。
気持ち悪ぃのはてめぇんなんだよ。
「っは、あのさ」