学園ディストピア
ピンボーンパンポーン
1年C組、雨宮晋爾、今すぐ生徒会室に来るように、繰り返す・・・
三時間目の終わった休憩時間に放送がながれる。俺はスピーカーから聴こえてくる声に緊張がはしる。
何故呼ばれている?
そうだ、あの気味の悪い新歓強姦事件か。
めんどくさい、というよりもあのギスギスした空気の中にいたくない。
こうしていても仕方ない。
俺は読書している金剛の近くまでいった。
「生徒会室って、どこ?」
「失礼します」
普通のへやではない。高々高校の生徒会にこんなものがあてがわれるのはおかしい。
応接間のような黒いソファーがおかれている。
見知った顔はあのキモい副会長と、挨拶していた生徒会長、そして初日に案内してくれた若山先輩・・・と、なんで、すっとこどっこい旭くんがこちらにいらっしゃるの?
「あの、何でしょうか?」
そして、この構図はなにか俺がしたとでも言いたげだ。生徒会メンバーに囲まれて、その全ての視線が全身を這っている錯覚に陥る。
「何とは随分な言い様ですね。雨宮くん」
早速食って掛かる副会長。
「だから、それはあなたの誤解でしょう、副会長さん」
俺の変わりに反論したのは若山先輩だ。目が合うと 困ったように笑われた。
天使やな。ちょっとホッとしてしまった。
「桜沢では話にならないので、俺が事情を聞きますね」
会長の方へ若山先輩が言うと、俺にソファーに座るように指示してきた。
また、1から説明かと思えばうんざりだ。
「では、早速ですが見たことを話してもらえますか」
はあ、溜め息をついてから俺は説明し飽きた内容を一通り話た。
正直あんなもの思い出したくもない。汚いものを見せられた俺も被害者なんだけど。
そういえばもう1人の被害者の子って誰なんだろう。
俺の話を副会長は信じていないようだったが、
「以上です。だから犯人たちの特徴といったらガタイが良かった、ぐらいしかないと思います。顔とか全然覚えられないんで」
ほんとここにいる生徒会メンバー全員見分けられん。
「なるほどね。生徒会で今はその犯人と被害者を探してるんだけどこれじゃあ話にならないね。」
生徒会のメンツがなにか囁きあってる。
「とにかく、雨宮くんは那珂に聞いてみてくれる、犯人の顔とか覚えてないか」
多分他人に興味なさそうな那珂さんが覚えてるとは限らないけれど。
「聞くだけなら」
てか、生徒会が聞き込みしろよ。
「じゃ、ありがとねー」
「かえっていーよー」
女顔の双子に言われて俺は立ち上がった。ありがたい、こっからさっさとにげたいわ。
「失礼しました」
部屋を出ると腕を捕まれてバランスを崩しそうになる。
がちゃりと背後で生徒会室のドアが閉まる音がした。
「なん、ですか?」
若山先輩だった。
「あのさ、さっきの話、隠してることあるよね?」
那珂さんが殴ったのを言わなかったからか。ばれたか。この人あなどれん。さっき、犯人達は那珂さんを見てびびって逃げたと誤魔化した。
変ににげても仕方ねぇ。諦めよう。
「はい、那珂さんが殴って追っ払いました。犯人達。」
するとニッと若山先輩は笑った。
1年C組、雨宮晋爾、今すぐ生徒会室に来るように、繰り返す・・・
三時間目の終わった休憩時間に放送がながれる。俺はスピーカーから聴こえてくる声に緊張がはしる。
何故呼ばれている?
そうだ、あの気味の悪い新歓強姦事件か。
めんどくさい、というよりもあのギスギスした空気の中にいたくない。
こうしていても仕方ない。
俺は読書している金剛の近くまでいった。
「生徒会室って、どこ?」
「失礼します」
普通のへやではない。高々高校の生徒会にこんなものがあてがわれるのはおかしい。
応接間のような黒いソファーがおかれている。
見知った顔はあのキモい副会長と、挨拶していた生徒会長、そして初日に案内してくれた若山先輩・・・と、なんで、すっとこどっこい旭くんがこちらにいらっしゃるの?
「あの、何でしょうか?」
そして、この構図はなにか俺がしたとでも言いたげだ。生徒会メンバーに囲まれて、その全ての視線が全身を這っている錯覚に陥る。
「何とは随分な言い様ですね。雨宮くん」
早速食って掛かる副会長。
「だから、それはあなたの誤解でしょう、副会長さん」
俺の変わりに反論したのは若山先輩だ。目が合うと 困ったように笑われた。
天使やな。ちょっとホッとしてしまった。
「桜沢では話にならないので、俺が事情を聞きますね」
会長の方へ若山先輩が言うと、俺にソファーに座るように指示してきた。
また、1から説明かと思えばうんざりだ。
「では、早速ですが見たことを話してもらえますか」
はあ、溜め息をついてから俺は説明し飽きた内容を一通り話た。
正直あんなもの思い出したくもない。汚いものを見せられた俺も被害者なんだけど。
そういえばもう1人の被害者の子って誰なんだろう。
俺の話を副会長は信じていないようだったが、
「以上です。だから犯人たちの特徴といったらガタイが良かった、ぐらいしかないと思います。顔とか全然覚えられないんで」
ほんとここにいる生徒会メンバー全員見分けられん。
「なるほどね。生徒会で今はその犯人と被害者を探してるんだけどこれじゃあ話にならないね。」
生徒会のメンツがなにか囁きあってる。
「とにかく、雨宮くんは那珂に聞いてみてくれる、犯人の顔とか覚えてないか」
多分他人に興味なさそうな那珂さんが覚えてるとは限らないけれど。
「聞くだけなら」
てか、生徒会が聞き込みしろよ。
「じゃ、ありがとねー」
「かえっていーよー」
女顔の双子に言われて俺は立ち上がった。ありがたい、こっからさっさとにげたいわ。
「失礼しました」
部屋を出ると腕を捕まれてバランスを崩しそうになる。
がちゃりと背後で生徒会室のドアが閉まる音がした。
「なん、ですか?」
若山先輩だった。
「あのさ、さっきの話、隠してることあるよね?」
那珂さんが殴ったのを言わなかったからか。ばれたか。この人あなどれん。さっき、犯人達は那珂さんを見てびびって逃げたと誤魔化した。
変ににげても仕方ねぇ。諦めよう。
「はい、那珂さんが殴って追っ払いました。犯人達。」
するとニッと若山先輩は笑った。