学園ディストピア
「じゃあ、まだ傷跡あるかもね」


なるほど、そっか。
そーだよね。那珂さん加減せずになぐってたもん。

1週間そこらでは完全に治ってないだろう。


「あ、うちの副会長が迷惑かけてごめんね?」

そういや、こないだ殴られた。

「いえ、副会長ってあの旭ってのが好きなんですか?」

「もう、盲目的にね!恋に恋してるんじゃないかなー。」

「あんなに大人っぽいのに」

「まだ、十代だからね。子供だよ。」

そう言った若山先輩はずっと大人に見えた。どうしてこの人はそこまで冷静なのかと。




案の定、授業には遅れ
クラスメイトに質問攻めにあった。



環境が替わるとほんとに鬱だ。







「それ、おいしい?」



俺の食べている棒切れのような栄養補助食品を見て、金剛は目を細める。

昼休み、金剛は俺の横の席に座って調理パンにかぶりついている。


「だって、売店のおにぎりとか不味いしさ」

不味いから安くてすむこれ食ってるの。けっこううまいよ、メープル味。


「でもさー痩せるよ?」

その金剛のかぶりついてる調理パンもたいして栄養価ないからね。

「大丈夫、夜は食べてるし」

「・・・もしかして朝食べてない?」

「食べてるよ食パン」

朝はトースト2枚。那珂さんのオーブンを借りて食べてます。

金剛が思い付いたように言う。

「そうだ!明日、食堂行こうよ」

「食堂て危険なんだろ?」

確か金剛の危険エリアリストにあった。
生徒会室周辺、不良クラス周辺、中庭、食堂などなど生徒会関連やトラブルに巻き込まれないための対策だ。

「比較的ましかな。まあ混むからね。生徒会は無料で食べれるからぜったいいるけど。」

「あんま会いたくないんだけど」

特に副会長。

「大丈夫、囲まれてて近付きたくても無理だから。」

それもそうか、
そのときはまさかあんなことにはなるとは(略)





その日の那珂さんの晩ごはんはカレーでした。うまうま。
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