学園ディストピア
なんでも生徒会に近付き過ぎた春日旭に、親衛隊が激怒。啖呵を切る春日旭。もめにもめたらしい。ゆずひくん、大丈夫かな?


俺はうどんを胃に流し込んだ。食べた気がしない。煩すぎて。

そういや騒音って味覚に影響するんだっけ?

「おいしいけど、静かに食べたいかな俺。」

「そうだね、雨宮。明日は教室で食べよう」

騒音につかれきった金剛は賛同してくれた。

でもゆずひくん、俺にお礼ゆっても意味ないよ。撃退したの那珂さんだしー。



その日、俺の記憶メモリに1人増えたゆずひくん。

リスみたいだなー、とぼんやり思った。





その夜の晩ごはんはカレーうどん。昼もうどんだったけど那珂さんの晩ごはんはやっぱり美味しかった。



何処で覚えてるんだろう、料理。







あ、そういや犯人の顔、聞いてない。






「は?」

一応、一応聞いてみたが何の話だという顔をされた。

「春日旭って子達を助けたとき、襲ってた犯人たちの顔知ってる?」

「だれ、春日って」

やっぱり覚えてない。俺も名前なんて忘れてたけど。あんなけ名前聞いてたきてたのに忘れたのかな?

「新歓の日に那珂さんが殴った体育科の」

「殴ったやつの顔とか覚えてねーわ」

だろうね。そうだと思いました。
俺はある程度想定していたので落ち込みもしなかった。

これで若山先輩への義理立ては出来たのでよしとしよう。




「あ、それと被害者の子がお礼言ってた。助けてくれてありがとうございます、だって」

「別に、そいつ助けた訳じゃないから」

そういって那珂はシャワーを浴びに行ってしまった。




明日も朝は早い。





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