学園ディストピア
そりゃ、新庄さんの怒りがこっちに来るのは勘弁。どうにか説得しなくては。
「バスケ嫌い?」
「別に」
「じゃあ、きてください」
そして無言。だめだ、俺には荷が重すぎる。
言ってみて駄目なら、聞いてみよう。
「じゃあ、どうしたら来てくれる?」
那珂は身体を起こした。
「いや、なんでそこまで連れていきたいわけ」
聞き返された。予想外な質問。
「なんでって、なんでかな。わかんない。」
はっきりした理由なかった。
だけど、那珂さんを連れていかなきゃ試合できない。なんで、俺必死になってんだろう。
絶対、今しつこくてうざがってるはずだよな。じゃあ、
「逆になんでそこまで嫌?」
「ダルい」
即答される。
「俺がここで、ずっとグチグチ言っててもダルくないの?」
「別に」
意味わかんねぇこいつ、本当に面倒くさくなってきた。
「ここにずっといて暇じゃない?」
「全然」
「喧嘩って勝ちたいと思う?」
「負けねーから」
「じゃあ、バスケは勝ちたいと思わない?」
「別に」
別にってなんだよ。だから。
今度は那珂に聞き返された。
「お前は勝ちたいか?」
「はい、普通に。那珂さん来ないと負けちゃいます」
勝ちたいと 思うのは普通じゃないかな。それに那珂さんいたほうが安心できる。あのメンツはイロイロとつらい。
「それに、那珂さんに来てほしい」言ってから少しだけないわ、と後悔した。気持ち悪かったかな。
だけど、それ以上に説得する能力が俺にはない。下手なんだよこういうの。
他のやつだったらもっと上手く説得するんだろうけど。
ふと、俺を影がおおう。
見上げると那珂が立ち上がっていた。
無言で背を向けて校舎むいて歩き始める。
よっしゃ、来てくれるみたいだ。
わかんないけど良かった。
俺も慌てて後を追った。
「おい、那珂!何時までまたせんだよ」
新庄さんが目を吊り上げながら自分のまっ金金の頭をぐしゃぐしゃさせている。
「は、来てやってんだけど」
「っはあ?相変わらずムカつくわお前」
こんな会話にもヒヤヒヤするが殴りあいのケンカにはならないようだ。日常的なやりとりなのだろう。
「新庄さんは那珂さんとはケンカにならないの?」
「いや、そんなわけじゃねーけど、あんまね」
そういってまた新庄さんは苦々しそうに口を歪めている。まあ、那珂さんとはケンカしたくない。
「お、やっと来たのか那珂」
赤髪が那珂に向かって言うが、本人は完全無視だ。
「おいテメェ、シカトかよ?やんのか?ああ?」
キレた赤髪が那珂に近づいていく。相変わらず沸点低すぎる。
那珂はあんまり気にしてないが、ほっとけばケンカをはじめかねん。
更に接近しようとする赤髪をよけて、あえて俺は空気を読まずに那珂さんにユニフォームを渡す。
「これ、着るんだって」
「ん」
那珂は赤髪から目線を離して、カッターシャツを脱ぐとTシャツの上から蛍光色のそれを着た。
せめて試合が終ってから、殴るなりなんなりしてくれ。
金剛は疲れきった顔をしながら「雨宮がいるだけマシだ」と呟いていた。いや、俺でもこの人ら怖いからね。
コートの回りでは女子のような親衛隊たちが囲っていた。粗方相手チームに誰かがいるのだろう。生徒会だろうか。
「やぁ、やぁ、よく来たネェー」
相手チームの1人が俺達の前まで着て挑発する。こいつだれ?
「知らねぇとは言わせないヨー、今日は正々堂々とこのバスケで勝負だからネ。これまでのカリ、返すヨ。・・・ぜんぶまとめて、ネ?」
そういった男は背は俺よりは高いぐらいか、那珂さんよりは低い。「カリ」というぐらいだ、新庄さんとか那珂 さんに恨みでもあるんだろう。
そして、確かにイケメンの部類だろうが、これは誰なんだろう。
那珂の方を向いて言う。
「知り合い?」
首を横に振られた。
ので新庄さんを見る。
「いや、しらねぇ」
「バスケ嫌い?」
「別に」
「じゃあ、きてください」
そして無言。だめだ、俺には荷が重すぎる。
言ってみて駄目なら、聞いてみよう。
「じゃあ、どうしたら来てくれる?」
那珂は身体を起こした。
「いや、なんでそこまで連れていきたいわけ」
聞き返された。予想外な質問。
「なんでって、なんでかな。わかんない。」
はっきりした理由なかった。
だけど、那珂さんを連れていかなきゃ試合できない。なんで、俺必死になってんだろう。
絶対、今しつこくてうざがってるはずだよな。じゃあ、
「逆になんでそこまで嫌?」
「ダルい」
即答される。
「俺がここで、ずっとグチグチ言っててもダルくないの?」
「別に」
意味わかんねぇこいつ、本当に面倒くさくなってきた。
「ここにずっといて暇じゃない?」
「全然」
「喧嘩って勝ちたいと思う?」
「負けねーから」
「じゃあ、バスケは勝ちたいと思わない?」
「別に」
別にってなんだよ。だから。
今度は那珂に聞き返された。
「お前は勝ちたいか?」
「はい、普通に。那珂さん来ないと負けちゃいます」
勝ちたいと 思うのは普通じゃないかな。それに那珂さんいたほうが安心できる。あのメンツはイロイロとつらい。
「それに、那珂さんに来てほしい」言ってから少しだけないわ、と後悔した。気持ち悪かったかな。
だけど、それ以上に説得する能力が俺にはない。下手なんだよこういうの。
他のやつだったらもっと上手く説得するんだろうけど。
ふと、俺を影がおおう。
見上げると那珂が立ち上がっていた。
無言で背を向けて校舎むいて歩き始める。
よっしゃ、来てくれるみたいだ。
わかんないけど良かった。
俺も慌てて後を追った。
「おい、那珂!何時までまたせんだよ」
新庄さんが目を吊り上げながら自分のまっ金金の頭をぐしゃぐしゃさせている。
「は、来てやってんだけど」
「っはあ?相変わらずムカつくわお前」
こんな会話にもヒヤヒヤするが殴りあいのケンカにはならないようだ。日常的なやりとりなのだろう。
「新庄さんは那珂さんとはケンカにならないの?」
「いや、そんなわけじゃねーけど、あんまね」
そういってまた新庄さんは苦々しそうに口を歪めている。まあ、那珂さんとはケンカしたくない。
「お、やっと来たのか那珂」
赤髪が那珂に向かって言うが、本人は完全無視だ。
「おいテメェ、シカトかよ?やんのか?ああ?」
キレた赤髪が那珂に近づいていく。相変わらず沸点低すぎる。
那珂はあんまり気にしてないが、ほっとけばケンカをはじめかねん。
更に接近しようとする赤髪をよけて、あえて俺は空気を読まずに那珂さんにユニフォームを渡す。
「これ、着るんだって」
「ん」
那珂は赤髪から目線を離して、カッターシャツを脱ぐとTシャツの上から蛍光色のそれを着た。
せめて試合が終ってから、殴るなりなんなりしてくれ。
金剛は疲れきった顔をしながら「雨宮がいるだけマシだ」と呟いていた。いや、俺でもこの人ら怖いからね。
コートの回りでは女子のような親衛隊たちが囲っていた。粗方相手チームに誰かがいるのだろう。生徒会だろうか。
「やぁ、やぁ、よく来たネェー」
相手チームの1人が俺達の前まで着て挑発する。こいつだれ?
「知らねぇとは言わせないヨー、今日は正々堂々とこのバスケで勝負だからネ。これまでのカリ、返すヨ。・・・ぜんぶまとめて、ネ?」
そういった男は背は俺よりは高いぐらいか、那珂さんよりは低い。「カリ」というぐらいだ、新庄さんとか那珂 さんに恨みでもあるんだろう。
そして、確かにイケメンの部類だろうが、これは誰なんだろう。
那珂の方を向いて言う。
「知り合い?」
首を横に振られた。
ので新庄さんを見る。
「いや、しらねぇ」