学園ディストピア
壁にぶつかってそれらは廊下に散らばった。盛大に。


中から凡庸な感じの中肉中背な30才前後の男が出てきた。

この人も先生なのだろうか。


若山先輩がため息をつきながらちらばった本を広い始めた。
俺もそれに習う。



「ごめんねー、助かる」


「いえ、言ってくださったら手伝いますから・・・・遠藤先生」


遠藤先生と呼ばれた男はやはり教師だったらしい。どじっこか。

その遠藤先生とぱちりと目が合う。


「えっと、雨宮です。へんにゅ」

「編入の雨宮くんだね!僕が担任の遠藤です。ごめんね、初日からみっともないとこ見せて」

はにかみながら笑う先生。


いや、俺の話遮んなよ。ちくしょー。
悲しくなんだろ。


なるほど、担任にもんだいありとはこのことか。どじっこ。


若山先輩がため息をついている。
恐らく苦労性なんだろう。


本たちを広い終えると遠藤先生が社会科準備室に招き入れてくれた。



「雨宮くんは編入だから困ることあったらなんでもきいてね。」

「・・・そんなに変なんですかここ」

確かにあの門は変だけど、この先輩と先生たちはごく普通そうだ。

性的な意味で身の危険がある、ということ以外今のところおかしな点はない。


ごくごく真面目な疑問に、二人とも苦笑していた。



「ここに来たときはびっくりだったよ」

と遠藤先生。


「たしかに」

と若山先輩。


性的な危険以外になにがあるというのですか!?


「とにかく色々ありすぎて今は説明出来ないから、徐々になれてくださいね。」

と遠藤先生はへらりと笑う。

少々頼りないが、いい人そうだ。

遠藤先生からプリントを貰って明日の説明をうけた。





くそう、こんなに脅されたら不安になるだろう。





「よし、次は寮を案内するね」

若山先輩に連れられて、その寮とやらに向かうことになった。




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