オレンジジュース
そうだ。こんなこと言っちゃうのは、暑
さのせいだ。
動揺して、まだ口をつけてないオレンジジュースをまた開ける。
そして飲もうとするけど。
黙っていた有川君は、不意に真剣な顔をしてこっちを真っ直ぐ見つめてきた。
「本気だったら、いいの?」
「…え」
「──本気見せたら、俺とキスしてくれる?」
何を言われたのか、分からなかった。
けど、気づいたらまた、オレンジジュースは有川君の手に渡っていて。
彼は私を見つめながら口を開いた。