オレンジジュース
「─おーい!夏ー?戻ってこーい。」
触れそうになった瞬間。
ゴクリと飲み込む音。
どうしよう、クラスメートに見られたかもしれない。
「あ、あー!今行く!!」
ばっと離れた有川君は、顔を真っ赤にして片手で抑えてる。
ああ、暑い。
「あ、あの、とにかく、話は後で!」
有川君はそう言うと、ダッシュで体育の授業に飛んでいった。
残された私は、頭がショートしてる。
もしかして有川君……
あのまま、き、キス…するつもりだった?
ああもう、暑い。
暑すぎて顔が真っ赤だ。