オレンジジュース
「え」
目の前で、ゴクゴクと気持ちの良い音が聞こえる。
半分くらい飲んだところで、
「ご馳走さま~。サンキュ」
と返してきた。
「き、許可はしてないよ!」
辛うじて返したけど、気が動転した。
なんか、さっきよりもセミが煩く響いている気がする。
しかも。
「てか、これさ……俺、坂口と間接キスしちゃったね!」
変わらない爽やかな笑顔を見せて言い放つ言葉は、私の冷静さを破壊した。
考えないようにしてたことを……!!