課長、ちゃんと聞いてください。
課長、ちゃんと聞いてください。
*
「おーい、五十嵐!
こっちこっち〜!」
金曜日の夜9時。
真っ赤な顔のサラリーマンたちがわいわい騒いでいる、チェーンの焼鳥屋。
店内の一番奥のテーブル席で、懐かしい顔がこちらに向かって手招きをしていた。
「わ〜ぉ、お久しぶりだね〜、佐々木〜」
数年ぶりに顔を見た学生時代の仲間に手を振りながら近づくと、すでに集まっていたメンバーが笑顔で迎えてくれた。
「あいかわらずのんびりしてんなぁ、五十嵐は」
「え〜、そーぉ?」
「大学ん頃となーんも変わってないし。そんなんで、ちゃんと社会人やれてんのか〜?」
「うはは〜、まぁ、ぼちぼちね〜」
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