二度目の恋の、始め方




「ミヤ、飯食って帰ろ~ぜ」

「あー、悪ぃパス。もうちょい練習して帰るわ」

「マジかよ、頑張るね~、んじゃお先~」

部活終わり。体育館に設備されたシャワールームから出た俺は、荷物を持って帰ろうとするシン達の誘いを断ると、タオルで頭を雑に拭きながら誰も居なくなった体育館に1人、壁に背を向けて座り込んだ。


「……やべぇ。もっと体力つけねぇと、メニューついてけねぇかも……」


最近、大会が近いせいかやたらとハードになったオニせんの練習メニュー。シューティングガードの俺のポジションはいわば点取り屋。高いシュート能力と体力が必要以上に求められるわけで、今の俺はそのポジションに身体が追い付かない。

このままじゃ…………


『くだらんな。そこまで言うなら見せてみろ。この私に、お前の本気ってやつを』


「………チッ」




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