二度目の恋の、始め方
ベッドに寝転ぶ私をモノスゴイ力で揺さぶるお父さんを、悟さんが慌てて止める。たぶん真っ青であろう私の顔を見て「すまん」と言って距離を取るお父さん。
今気づいたけど、ココやっぱりあの宮路総合病院なんだ。
「……にしてもよぉ、ウチの娘に随分なコトしてくれるよなぁ。凛、誰にヤられた?俺が仇取ってきてやる」
「お父さんには絶対言わないよ」
「チッ。っんでだよ」
「面倒になるモン。小学校の時、私が男の子に苛められたとき学校に乗り込んできたでしょ。ああゆ~の、恥ずかしい」
「父親に向かって恥ずかしいとか言ってんじゃねぇ。娘を心配すんのは当たり前だ」
「心配してないくせに」
「あぁ?」
「今まで父親らしいこと何もしてないくせに、お母さんが死んだからって急に父親面されても困るよ!分かんない!」
「……凛」
そのまま布団を頭までかぶり背を向ける。
こんなのただの八つあたり。選抜受けれなかったイライラをお父さんにぶつけるなんて最低だ。自分がイヤになる。