二度目の恋の、始め方




「え~今日は、来月行われる文化祭の出し物を決めたいと思います~」


病院での一件から二週間。学校では来月の文化祭に向けての準備が本格的に始まり、今日はHRを利用して教壇に立つ委員長がメインの出し物についてクラスの皆と話し合っている最中です。
ココ、英高校の文化祭は一般の公立高校とは違って豪華絢爛。クラスごとの出し物の優勝者には毎回特別ボーナスが与えられるみたい。だから皆張りきってるんだけど。


「…………ハァ」

「溜め息多すぎだろ」

「だって……連絡こないんだもん……」

スマホの真っ黒い液晶画面を見て今日何回目か分からない溜め息をつく私を、隣の席の有馬が呆れた表情で見ている。

「ナニ悩んでるのか知らねぇけど、そんなに気になるなら自分から連絡すれば。
ここでグチグチ悩んでたって同じだろ」

「連絡するって言ったの。だから待つの」

「あそ。じゃあ溜め息やめて貰えますか~?辛気臭いのが移るんですよね~」

そう言って今日もだらしな~く着こなした制服姿の有馬は、机を抱くようにして伏せる私に意地悪く舌を突き出してくるんだ。
< 117 / 130 >

この作品をシェア

pagetop