二度目の恋の、始め方

あっさり納得して、落胆する私の肩を二、三回軽く叩く有馬。クラスの皆も、哀れんだ表情でコッチを見つめててとても断れる雰囲気じゃない。
きょんまでもが諦めなさいといった表情で。

「でも部活が……」

「ああ、心配しなくても文化祭までは全部活動休みになるんだよ。川嶋さん、申し訳ないけどお願いするよ」

「ハァ」

「時間もないことだし早速、演出の赤羽さん、家庭科の青井さん、ヘアメイクの百瀬さんと打ち合わせを頼むよ」

そう言って委員長と入れ替わりで女の子三人組が私の席にやって来た。演出の斉藤さんはショートカットが似合うボーイッシュ系、青井さんは穏やかな癒し系、ヘアメイクの百瀬さんはクルクル巻きのギャル系で、三人ともタイプが全然違うけど。

「川嶋さんよろしく。黒豚のヤツ、あの外見で主役やろうなんてイイ根性してるよ」

見えないよう拳を作り、震える斉藤さん。

「本当、災難ですね。川嶋さん」

おしとやかに苦笑いする青井さん。

「てか~、もしアイツに変なコトされたら私に言って。ダーリン、族はいってるし、フルボッコにしてやる」

百瀬さんは髪をイジリながらサラッと怖い発言をする。話す機会は少ないけど気さくな子達ばかりで安心だけど、私にジュリエットなんて務まるのかな?
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